研究紹介
| 橋屋 誠 | |||
| 富山県では何種類のきのこが見られるのでしょうか?たぶん1,000種類は軽く越すと思いますが、これまでに富山県のきのこの種類を調べた記録や富山県産きのこのまとまった標本が残っていないのではっきりした数字はわかりません。他の県以上に自然の豊かな富山県ですから、調査が進めば高山帯のハイマツ林から海岸地域の常緑広葉樹林までの中には、この2倍も3倍ものきのこの種類が見つかることでしょう。 私は富山県のきのこ調査を続けていますが、県内を歩くととてもおもしろい種類に出会うことがあります。以前に新聞で紹介された”コウボウフデ”は、コナラ林に生えるきのこで食用になりませんが、めったに見られないこととおもしろい形をしているためにきのこ愛好家からは注目されている種類です。また分類学上も分からない部分があるなど謎を秘めたきのこでもあります。 全国的に見て北陸地方はきのこへの関心は高い地域ですが、富山県には、石川や福井、 新潟などのような全県的なきのこの会がありません。しかし、きのこの相談に来られる人からは「柄が裂けると食べられる」や「茄子と煮れば中毒しない」「虫が食べているのは食べられる」などの迷信をよく聞きます。このことは裏をかえせばきのこへの関心が高く、きのこが富山の生活に深く結び付いている現れだと思います。 | 最近は中央植物園へ種類を聞くためにきのこを持ち込む人も多くなり、昨年度は100件をこえました。この中にはモグラの巣のそばにしか生えないきのこや、猛毒な種類を含むテングタケ科のきのこもあったりとバラエティーに富んでいます。時には持ち込まれたきのこの一部を植物園の標本にいただくなどして、多くの人の力で富山県のきのこ調査を進めて行きたいと考えています。![]() コウボウフデ | ||