研究紹介
| 吉田 めぐみ | |||
| 高い山に登っていくとだんだんと生えている植物が移り変わって、高山植物の生育している”高山帯”へとへとたどりつきます。県の東部に北アルプスを持つ富山ですから、高山植物を見ることを楽しみに山へ登る方も多いことでしょう。 私はこれまでに、立山、白馬岳、唐松岳、乗鞍岳などのほか、北海道の大雪山、台湾の南湖大山、ヨーロッパアルプスなど様々な高山帯を見てきました。日本の高山帯は”ハイマツ帯”とよばれるほど、どこの高山でもハイマツ林が見られますが、ヨーロッパアルプスでは森林限界以上の低木林を形成しているのはアルペンローゼと呼ばれるツツジの仲間です。また、台湾の高山ではビャクシンやシャクナゲの類がハイマツ状の低木林をつくっており、日本の高山帯とはからなり違った景観です。 高山帯は低温、多雪、強風、強い紫外線など平地より厳しい環境条件に置かれています。高山帯には、稜線や岩礫地、雪渓などの地形の違いにより、それぞれ異なった植生が見られます。さらに、わずかな岩のくぼみや斜面の角度など、より細かい違いによっても温度環境や水分条件、風の強さなどの気象条件(微気象)が異なります。例えば雪が遅くまで残る”雪田”では、雪解け後絶えず水が流れ込む低い場所は栄養分に富んでおり、ハクサンコザクラやハクサンオオバコなどが生育しています。一方隣接した斜面には雪解け後の乾燥に耐えられるチングルマやアオノツガザクラなどの小低木がみられます。 |
また底にあたる部分は雪が遅くまで残り、生育期間が限られるため植物に覆われる面積が少なく、クモマグサやジンヨウスイバなどが点在するのみとなります。このようなわずかな地形の差による微気象と植生の違いや、消雪と植物の生長などの季節変化について調査していきたいと考えています。![]() ハクサンコザクラ |
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