昆明植物研究所との共同研究がスタート(2)
 
●共同研究の内容
 共同研究に関する合意書の調印式は平成12年10月13日に昆明市で行われ、富山県中央植物園の黒川逍園長と昆明植物研究所のHao Xiao Jiang所長の間で署名が交わされ、協定が結ばれました。
 共同研究は1期を2年とする5期10年間にわたって実施され、雲南省の貴重植物、特に稀産植物や絶滅危惧植物について、自生地での生育状況の調査や保全の方法などについての研究を行うことにしています。各期において研究対象とする植物は、主として第1期がベゴニア属、第2期がマメ科、第3期がモクレン科、第4期がツバキ科、第5期がサクラソウ科となっています。
 今年度は、中央植物園からは組織培養が専門の神戸敏成主任研究員の派遣が予定されています。研究成果については、毎年、年度末に開催している研究発表会「植物園を支える研究活動」などで紹介していく予定ですので、ご期待下さい。

●ベコエア属の植物
 第1期の研究対象植物となっているのはシュウカイドウ科のベゴニア属(Begonia)の植物です。ベゴニア属は、日本には中国南部原産のシュウカイドウが広く野生化しているほか、沖縄にコウトウシュウカイドウとマルヤマシュウカイドウの2種が自生しているだけですが、世界の熱帯・亜熱帯に1000種以上が分布するというたいへん大きなグループです。
 昆明植物研究所には中国一といわれるベゴニア属植物のコレクションがあり、新種の発見や交配実験を含む活発な研究が行われています。また、この仲間は花や葉が美しいことから園芸的にも価値が高く、中国産ベゴニア属植物は潜在的な園芸的遺伝子資源としても重要であると考えられます。共同研究は、こうした点も視野に入れて行われます。

ベゴニア属には美しい菓をもつ種類も多く、観葉植物としても価値が高い。

共同研究に関する合意書調印式
富山県中央植物園の黒川園長(前列左)と昆明植物研究所のHao Xiao Jiang所長(前列右)の間で署名が交され、今後10年間にわたって共同研究を行っていくことが合意された。平成12年10月、雲南省昆明市で。


昆明植物研究所のベゴニア温室
 雲南省の野生種と外国で育成された品種が集められており、ベゴニア属のコレクションとしては中国最大規模を誇る。


昆明植物研究所ではベゴニア属植物の組織培養も行われている。