仏教三大聖樹ムユウジュ開花
熱帯雨林植物室では、仏教三大聖樹のムユウジュの花が咲きましたので、ご案内します。
富山県中央植物園は仏教三大聖樹すべての種類が揃い、ムユウジュが開花する数少ない植物園です。植物園では例年2~3月に開花し、木の成長とともに花数も増え、今年は例年になくたくさん咲いています。
ムユウジュ(Saraca indica L.) は、サラノキ(沙羅双樹:フタバガキ科)、インドボダイジュ(印度菩提樹:クワ科)と並び、仏教三大聖樹の一つとされています。釈迦の生母、麻耶夫人がムユウジュの木の下で釈迦を生んだとされ、その時お産が軽かったことから、「無憂樹」と名づけられたといわれています。またインドでは恋する乙女の願いをかなえる木とされているそうです。仏教のほかヒンドゥー教でも聖樹とされています。
ムユウジュはインド、スリランカ、ミャンマー原産のマメ科の植物で、高さ25mにも達する高木です。花びらは無く、赤色からオレンジ色の花弁のように見える部分は萼(がく)で、長く伸びた萼の先から、おしべとめしべが突き出し、数十個の花が丸く集まってつきます。材は硬く、建築材や家具材としても利用されます。