国内初?ハッポウジュ初開花
植物園の雲南温室では“ハッポウジュ”の花が初めて咲きましたので、ご案内します。1つの花は1日ほどで咲き終わると思われますので、取材の際には当日の朝に開花状況をお尋ねください。
富山県中央植物園は中国雲南省産の植物を数多く植栽展示する世界でもまれな植物園です。ハッポウジュは、平成9年(1997年)に中国雲南省の中国科学院昆明植物研究所から当植物園に導入し、雲南温室を整備した平成12年に植栽展示し、今年初めて開花しました。
ハッポウジュ(学名:Duabanga grandiflora (Roxb. ex DC.) Walp.)の和名は、中国名の「八宝樹」をそのまま日本語読みにしたもので、別名にシダレオオサルスベリの名もあります。直径12cmほどの大きな花は白色で、たくさんの長い雄しべがあります。花にはたくさんの花蜜があり、咲きはじめにはやや不快なにおいがします。こうした花の様子から、夕方から夜に開花し、1日ほどで咲き終わるものと思われます。ミソハギ科の高さ40mに達する樹木で、中国雲南省とラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、カンボジア、インド東部に分布します。
植物園のハッポウジュは現在10mほどの高さに成長していますが、もともと植物園の温室をはるかに超える大きさに成長する高木ですので、開花は困難だと考えていました。ですが、開花するよう剪定の方法や時期を変える等の工夫を重ね、今年ようやく開花に至りました。