水生植物園・花しょうぶ

一面に広がる、花しょうぶの鮮やかな色彩と美しさ。

梅雨空のもと、優雅な花形が露にしっとり濡れて咲くハナショウブは、見る人の心に安らぎを与えてくれます。頼成の森には600品種、70万株ものハナショウブが植えられていますので、多様な花色の美しさや花容の変化を、心ゆくまでご鑑賞下さい。
また、水生植物園内には、ハナショウブの歴史・系統・花型・色などを案内した解説板が7カ所に設置されています。

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花ショウブ園などのいろいろ

花しょうぶに詳しくなろう

初夏から梅雨の時期にかけて、ひときわ美しい花を咲かせるハナショウブには、数多くの品種が存在します。それぞれの特徴や魅力を知ることで、水生植物園をより楽しむことができますよ。

系統別の特徴と主な品種

江戸系

初紅 極早生中輪

ハナショウブの中でも最も品種数が多い系統。江戸時代の中期、松平菖翁によって積極的に改良され、花の色や形、大きさなど様々なものがあります。花びらの間にすき間がある三英咲きが多く、江戸っ子好みのキリッとした花容をもつのが特徴です。庭園などに群生させて楽しむことを目的に改良されたため、風雨や直射日光に強く栽培も簡単。見事な群生美を見せてくれます。

栄紫 早生中輪

肥後系

清鶴 中生大輪

花弁が豊かに重なり合う六英咲きが多く、大輪の花を咲かせます。草丈は低めで、葉・茎とのバランスがよく男性的な風格を備えています。江戸時代の終わり頃、江戸系の品種が肥後(熊本県)に運ばれた後、室内鑑賞に向く鉢植え用として改良されたものです。風雨に弱く群生美の面でやや劣る欠点がありますが、庭植えでも美しく咲き揃う優れた品種が多く存在します。

七彩の夢 中生大輪

児化粧 中生大輪

業平 中生極大輪

伊勢系

神路の雪 早生中輪

花弁は深く垂れる三英咲きで、女性的で柔和な雰囲気を備えています。江戸期の終わり頃から、伊勢(三重県)の松阪地方を中心に改良されたものです。鉢植え栽培を主とし、葉と花が同じ高さにまとまることを理想として作られました。

津の花 早生中輪

美吉野 早生中輪

長井古種系

日月 中生小輪

草丈が高く、花形は小さくて野性的な雰囲気のある品種です。山形県長井市に保存されている一群で、江戸系よりも古い時代に育成されたものであることから、古種系または長井系とも呼ばれています。色彩が変化に富んでおり、清楚な美しさがあります。

長井小紫 中生中小輪

山野辺 中生小輪

雑種系

愛知の輝 中生小輪

近年発達したバイオテクノロジー(胚培養)の技術を用い、キショウブ、カキツバタなどの近縁種と交配させることによって生まれた雑種です。品種としての出回りは少ないが、今後の発展が期待されています。

花月夜 中生小輪

稔の秋 中生小輪

アメリカ系

スティプルドリップルス 中生中輪

外国人の目により選抜育成された品種で、日本の在来種にはない豊かな色彩と花容を備えています。日本とは異なるアメリカの気候風土のもとで、多くの人々による品種改良が活発に行われています。

ディープオーキッド
中晩生大輪

ウォーレイピンク
晩生中大輪

生育期と栽培管理

栽培上の基本的条件

  • 日当たりの良いところ

  • 乾燥に弱いので敷きワラと夏場の潅水を

  • 連作の場合は天地返しをして植え替える

  • PH5~6の弱酸性の土壌、アルカリを嫌うので石灰などはやらない

  • 植え替えは4~5年に1回行う

横スワイプで全体をご確認いただけます。

株分け法と植え方

株分けの方法

植え方

ハナショウブの見分け方

アヤメ、カキツバタ、ハナショウブは互いによく似ていて区別がつけ難いことから、美女ばかり大勢いて見極めのつかない状態を表現した「いずれがアヤメかカキツバタ」ということわざも存在します。見分ける際は次のような特徴で区別されます。

ハナショウブ

アヤメ

カキツバタ

早咲の1号田

極早生系の品種や外国系の品種を、第2駐車場からも良く見えるように、多く集めてあります。頼成の森で最初にハナショウブが咲く所です。

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花ショウブ園(2~7号田)

頼成の森の花ショウブ園の中心をなしており、祭りの時には、石の門から入り、この光景を見た人の歓声が聞こえてきます。

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花ショウブ園(唐草の池)

花ショウブ、カキツバタなどが植えてあり、唐草模様が見えてきます。

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トンボ池(コウホネ・ガマ・ヤゴ・トンボ類)

トンボ類の昆虫が多く見られ、また、スイレンなど水生植物などが奇麗です。

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穴谷園(芍薬・半夏生など)

花ショウブよりも早く見頃を迎える芍薬、半夏生など綺麗です。この谷は最後まで、雪が残ります。

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